マネッセ写本

マネッセ写本の挿絵、ハルトマン・フォン・アウエ

マネッセ写本(Codex Manesse)は中世盛期におけるドイツの代表的な140人の宮廷詩人(ミンネゼンガー)の詩歌(恋愛歌曲)を収録したコデックス彩飾写本。最も総合的に収集された中世の詩集として、また各宮廷詩人を描いた美しい挿絵(細密画)で知られている。大ハイデルベルク歌謡写本とも。

チューリッヒのマネッセ家の注文により、主要部分が完成した1304年から補足が付けられた1340年頃の間に作成されたと考えられている。ゴットフリート・ケラーは"ハドラウブ" (1878)の中で、編纂者はミンネゼンガーの一人であるヨハネス・ハドラウブだと推測している。

写本には王侯を含む各宮廷詩人を描いた137枚の細密画が含まれ、貴族の場合は馬上槍試合(トーナメント)に参加した際の紋章をあしらった完全武装(従って顔は見えない)の姿で描かれていることが多い。図案の多くは、詩人の名前をモチーフとしたり(Dietmarはラバに乗っているが、彼の名前は庶民の馬の意味を持つ)、その詩のイメージ(ワルター・フォン=デア・フォーゲルワイデは彼の最も有名な詩に似合った思慮深い様子をしている)で描かれている。

写本が作成されたのは、多くの詩人の死後100年以上後であるため、本人と似ているか、あるいは紋章の正確さについては疑問があるが、数多く模写されて広まっている。

マネッセ写本の挿絵、編纂者と推定されていヨハネス・ハドラウブ

各詩人の順番は概ね身分の順で、神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世から始まり、コンラディン王騎士平民と続いている。

Hohensax男爵が所有していた時に、Melchior Goldastが、その抜粋を出版しているが、それ以前の経歴は不明である。1657年以降は、フランス王立図書館からビブリオテーク・ナショナルに移管され、1888年にヴィルヘルム1世ビスマルクが中心となった寄付金によりハイデルベルグが購入した。

最初のマネッセ写本の本文校訂版は19世紀始めに出されている。

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