一代貴族
一代貴族(いちだいきぞく、Life peer)とは、イギリス貴族のうち、世襲ではなく、一代限りで貴族に任じられる者である。現在の制度は、1958年の一代貴族法で制定されている。一代貴族は全て男爵位であり、貴族院議員となる。
現在でも世襲貴族は時々作られており、一代貴族は世襲貴族より下と考えられがちだが、男爵同士なら全く同じであり、1999年の貴族院法改正により、世襲貴族の議席数が約90人に限定されたため、却って一代貴族のほうが特権が多い。
授爵者は、主に首相、国会議長、重要閣僚、最高裁判事、政党幹部経験者などが引退後に与えられることが多い。作家のジェフリー・アーチャーも保守党の副党首だったことにより一代貴族になっており、作家としてではない。また、1999年の貴族院法改正時には、新設の世襲貴族や貴族院議長の経験者などに貴族院の議席を与えるために、一代貴族を与えている。毎年、約20人程度作られ、1958年から2004年までに累計1025人が一代貴族になっている。
一代貴族の爵位名(Baron XXXの部分)は、現在の新設世襲貴族もほとんどそうであるが、名字をそのまま爵位名とすることが多い。このためLordの敬称の後に名字がきているように見えるが、Lordの後につくのは爵位名である。