ボルジャ家
ボルジャ家(Borgia)はスペイン出身の貴族で、その一族にはローマ教皇カリストゥス3世、アレクサンデル6世、ヴァランス公チェーザレ・ボルジャ、フェラーラ公妃ルクレツィア・ボルジャ等がいる。
アレクサンデル6世は世俗化した教皇の代表的存在であり、(本来なら持つべきではない)息子のチェーザレやルクレツィアを使って政治的な辣腕を振るい、一族の繁栄と教皇庁の軍事的自立に精力を注いだことにより、ボルジャの名前は好色さ、強欲さ、残忍さ、冷酷さなどを代表するものとなった。政敵を次々に毒殺した、チェーザレと ルクレツィアとは近親相姦であったなどの噂が付きまとっているが、真偽のほどは不明である。
このような悪いイメージはヨーロッパでは根強く、文学作品や映画等で、しばしば、さりげなく言及されている。例えば、映画「第三の男」では、主人公に「ボルジャ家の悪政はルネッサンスを生んだが、スイスの平和は鳩時計を産んだだけだ」と言わしめているし、「モンテ・クリスト伯(岩窟王)」の宝物は、ボルジャ家に暗殺されたローマの枢機卿が隠したものとされている。