自分にあった自転車を見つけて、自転車生活。
最近は自転車ブームが続いており、さらに3月の震災以来、自転車通勤や非常時の交通用に自転車を用意する人が増えているようです。しかし、いわゆるママチャリしか乗ったことがない人にとって変速機付きのスポーツ車や折り畳み車の選択は難しいことと思います。そこで、簡単に各タイプを説明し、Amazonの低価格の売れ筋からお勧めを挙げてみます。
何でもそうなのですが、まず、自分の目的を明確にし、優先順位をつけます。
速く走りたいのか、楽しくサイクリングしたいのか、街乗り中心なのか、通勤に使いたいのか、遠距離なのか近距離なのか、折り畳む必要があるのかどうか、持ち運びたいのか、屋内に保管したいのか?
いわゆるママチャリ(軽快車、シティ車)に対して、スポーツ車にはロード、クロス、マウンテンバイク(MTB)の分類があります。また、これとは別に小径で折り畳んで小さくできるものを折り畳み自転車、折り畳めない小径車をミニベロなどと呼びます。
比較的平坦な舗装道を高速で長距離走ることを目的としています。
特徴:ドロップハンドル、細い滑らかな(スリック)タイヤ、細いエンド幅(後部横幅)、キャリパーブレーキ、前2段変速、クロース(狭い)な後部変速機のギア。
こういう人にお薦め:速く走りたい人、平地を中心に舗装道を長距離走る人
例:この価格帯では本格的なロード車はなく、以下に挙げるものはロード風のクロスに近い。
トラック競技用の自転車に類似したもの。ギアが1つ(シングル)で、固定ギアとフリーギアを切り替えられるものが多い。ブレーキのないものもあり問題となったが、現在、日本で市販されているものにはブレーキが付いているので問題はない。 細く、軽く、機構がシンプルなためメンテナンスが容易で故障しにくい。シングルギアなので高速で走るにはケイデンス(回転数)を上げる必要があり、登り坂は立ち漕ぎが必要となる。固定ギアにした場合はペダルと後輪の動きが連動するため、その特性に慣れる必要がある。
こういう人にお薦め:軽く軽快に走りたい。ママチャリは嫌だが複雑な機構も嫌。固定ギアの特性を活かしてトリッキーに乗りたい。
固定ギアとフリーギアを切り替えられるタイプ。ピスト風の入門車として使える。 | |
こちらはフリーギアのみのシングルバイク。折り畳めるのが特徴だが、シングルにしては重い。 |
ハンドルがフラットバー(真直)のロード。ドロップハンドルは気合が入り過ぎて気恥ずかしい人向け。街乗りに使っても違和感が少ない。 最近ではロード寄りクロスと混同されることも多い。
しなりのあるクロモリ鋼フレームのロード。3×8段のギアは多少クロス寄りか。オールラウンドに使えそう。 |
山道、非舗装道を走り抜けることを目的としたオフロード車。しかし、町で見かける廉価なものはいわゆるルック車で山道、荒地の走行は禁止されており、緩やかな非舗装道路や都会ではもっぱら歩道の段差を越えるために使用されている。
特徴:フラットバー(ストレートハンドル)、太くてブロックパターンのタイヤ、Vブレーキまたはディスクブレーキ、前後のサスペンション、前3段、後部変速機のギアはワイド。 一般的に重く、タイヤの特性もあり、高速走行には向かない。
こういう人にお薦め:アウトドアが趣味で非舗装道、山道を走る人。都会の歩道の段差を楽に走りたい人。
例:この価格帯ではルック車しかないので、本格的山道は不可。
折り畳みできるMTBルック車。街乗りの場合、タイヤはスリックなものに交換した方が良いか。 | |
トライアル風バイクとのことだが、トライアルに使えそうな感じはしない。街乗りには良さそうか。 |
ロードとMTBの中間でオールラウンドな走行ができる。折衷型であるため、その特徴に応じて、さらにロード寄りクロス、MTB寄りクロスに分けられることもある。最近では後部外装変速機が付いた荷台やカゴ付きの実用車などもクロスと呼ばれて売られることがあるが、本来はスポーツ車の分類である。
ロードと比べるとフラットバー、Vブレーキになっている。楽しむためのサイクリングならこの辺が手頃。
スタイリッシュでフレームもしっかりしており、走りも悪くなさそう。ちょっと派手すぎる感はあるが、人気は高い。 | |
車ブランドの自転車はブランドライセンス料分、割高になる。上と基本スペックは変わらず、フェラーリの名前を気恥ずかしく感じるか、嬉しく感じるかの問題。 |
通勤やツーリングなどにもスパルタンに使える。タイヤは少し太め。
折り畳めるクロス。少々、重いがスパルタンに使える。 | |
上の色違い。地味な形なので色は派手なほうがお洒落か。 |
前輪または前後輪にサスペンションが付いて路面の凸凹、段差に強い。
ドッペル独特のツインチューブは好みが分かれるところか。前後フルサスペンション。 | |
折り畳めるクロス。前サスペンションのため、段差の衝撃を吸収する。ハンドルにはエンドバー付きで登り坂で力をかけ易い。 |
ママチャリ代わりに使いたいが、たまに遠出もしたい場合。
泥除け付き。前にキャリアが付いている。 | |
泥除け、カゴ付き。見た目は変速機の付いたママチャリ。 |
車輪が標準的サイズより小さく、折り畳めるもので、その中にロード、クロス、MTB、ママチャリ風の物がある。通常は20か16インチであり、それ以下のものは持ち運んで輪行(電車などに載せる)することに特化したものである。また、大径の折り畳みというのもあるが、これは大径の方で扱う。
ギア比がより高速向けで、タイヤは細め。
ロード風でもないが、ギア比は高速仕様で、シマノの小径車専用変速機カプレオを使用しており、値段相応のスペックとなっている。 |
標準的な折り畳み。オールラウンドに使用できる。
サスペンションが付いて段差に強いが、走りや重量の点で不利。
前後フルサスペンションの割には重量はあまり増加していない。ブロックタイヤを装着している。 |
カゴ、泥除けなどが付いており、サドルも柔らかめ。重く、持ち運びには向かない。
カゴ、泥除け、コンフォートサドルの付いた、ママチャリとしての性能を追求した折り畳み車。重量もさすがにママチャリ級。 | |
廉価なお買い物車。評判も悪くない。 |
タイヤがかなり小さいため、その特性に慣れる必要がある。
極小径で最も定評がある。持ち運び易く、気軽に電車に載せることができ、街中散歩ぐらいならそれなりに走る。 | |
素早く縦折りでき、転がして運ぶことができる。重量は重いため、階段などでは少し苦労する。普通の自転車に近い感覚で走ることができる。 | |
リカベント風味。素早く縦折りでき、転がして運ぶことができる。重量は重いため、階段などでは少し苦労する。8インチにしては走りが良い。 |
折り畳めない小径車。一般に折り畳みより軽量で走りは良い。小さいのが欲しいが折り畳む必要が無ければ、こちらが良い。
無難で廉価なミニベロ。 | |
前20インチ、後ろ24インチのファニーバイク。ミニベロの取り回しと大径車の走りを兼ね備えた個性派。シングルスピード |
自転車はメーカーからは未完成品として出荷され、本来は自転車屋さんがそれを組み立てて、初期調整をして顧客に引き渡すことになります。しかし、Amazonも含めたブローカー系の通販業者はメーカーから出荷された箱をそのまま顧客に送付します。従って、本来、自転車屋さんが行っていた組み立て、初期調整を自分でやらなければならないのです。これが嫌であれば、近くの自転車屋さんで買うか、完全調整を謡っている通販自転車屋(概ね実店舗を持っています)から購入すれば良いのですが、値段はかなり割高になります。
自信のない人は送付された箱をそのまま近くの自転車屋さんに持っていき、組み立て、初期調整をしてもらう手もあります。工賃もあまり高くないはずですが、難点としては、特に町の小規模な自転車屋さんでは一般に嫌がられ、断られることも多いといわれます。あさひ自転車や自転車を扱っているホームセンター、ディスカウントショップ等の大手の方が良いようです。また、不良品、欠陥品だから調整・修理できないと言われる場合もあるようですが、まともな自転車屋さんにとって、通販で売られる廉価な中国製自転車は全て不良品ですので、特に不都合がなければ気にする必要はありません。
メンテナンスフリーを指向したママチャリ・シティ車と違いスポーツタイプ車は、日常的な点検・メンテナンスを前提として作られています。適切にメンテナンスしておけば、パンク等のトラブルも少なく、常に初期の状態を保って快適に乗ることができます。
上手く作動しない場合は調整しましょう。止まった状態でのチェックだけでなく、車の少ない生活道路や歩道で、実際に走りながらのチェックもしましょう。 付属のマニュアルよりは、ネット上のサイトの説明の方が分かり易いものが多いようです。
廉価な自転車では、ホイールが振れていたり、ハブの玉押しが固すぎることがあります。調整は、そう難しくはないのですが、失敗すると自転車を壊したり安全上の危険が生じますので、自信がなければ止めましょう。